キリンのいるギャラリー

第二十五回「キリンのいるギャラリー」

R319に合流する善通寺市の県道沿い。シンプルな黒い建物から、大きなキリンがこんにちは…!?
そんなちょっと気になる光景を、目にしたことはありませんか。

看板には「gallery what's new?」。what's newとは挨拶代わりに使われる英語であり、讃岐弁でいうところの“何ができよんな?”です。
そう、ここはまさに知る人ぞ知るギャラリーなんです。


「gallery what's new?」外観

オーナーは岡山富男さん。「おかみアート」として、和紙などの自然素材を使った内装業に携わっています。10年ほど前に古民家を譲り受け、仕事の作業部屋としてセルフリフォーム。が、「凝り性でね〜いつのまにかギャラリーになっちゃった」と、愛嬌たっぷりの笑顔。

自然素材を愛し、自然素材に親しんできた岡山さん。独創的なギャラリー自体が彼の作品でもあり、近年では“生活空間遊工房”として空間丸ごとのリノベーションも請け負っています。
当初からイメージがあったというこのキリンも、もちろん自然素材。木で骨組みし、廃材などで肉付けしたオリジナル作品です。

実はこの子たち、けっこう有名です。
坂出の町おこしとして野外展示されたことで注目を集め、瀬戸内国際芸術祭では高見島にも上陸。レストランをはじめ、坂出市内の病院や美術館でもデビュー。昨年の12月には坂出市のまちかどアート「逃げた動物園」と題して、商店街のあちこちに出没し人気を呼びました。

いつもの町の何気ない場所に、動物がいるっておもしろい!

ご自身がそんなワクワクした気持ちで作るキリンたち。「遊ばせてやりたいから」と、ベンチに座っていたり壁にもたれていたり。どこか憎めない表情もなんだか人間味があります。そうそう、壁ドンしているキリンもいました(笑)
見つけたら思わず触れたくなるほっこりした姿は、岡山さんの遊び心から生まれた日常の中にあるアートなのです。



さて、最近の岡山さんはというと。

「紙粘土で作ってみたらかわいいと好評だったから♪」と、ブタの焼き物にも力を入れています。どんどん作っているうちに何百というブタが誕生したそうで…。
癒される表情と、しなやかな肢体でさまざまなポーズを魅せるブタたち。私は、二コーッと笑った顔が岡山さんの優しそうな笑顔に似てるなぁと感じました。

個人的な注文も受けていますが、お客さんと一緒に作ることも。地元の事業にも積極的に参加し、新進気鋭のアーティストたちとコラボするなど芸術家としての活動も盛んです。
岡山さん、いったいどっちが本業なんだろう?(笑)

内装業で出張していることもあるため、ギャラリーは「開いてたら入っていいよ〜」というスタンス。中には動物のベンチもあるんですよ。
また、これまでに出会ったアーティストのお気に入り作品も展示。あなたの感性が刺激されるかもしれません。




what's new 〜何か新しいことが始まりそうな予感。

ギャラリー奥の工房では、今日もきっと制作に打ち込んでいるはず。
キリンにもブタにも、そして岡山さんにも会いに行ってみてください。



gallery what's new?
http://okami-art.jp/

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〒765-0031 香川県善通寺市金蔵寺町662-4
Tel. 090-8280-7223