接待講

4月に入って最初の週末。
あいにくの天気ながらも、あちらこちらでお花見をされる団体がみられました。
そんな桜と同じく、春の訪れを伝えるもう1つの顔、接待講が本日金倉寺にいらっしゃいました。

接待講

接待講とはその名の通り、四国霊場寺院にてお接待をおこなう参拝団です。
多くは四国四県から海を隔てた海岸線の地域で組織され、年に1度参拝されて、お遍路さんにお接待をしてくださいます。

金倉寺に毎年いらっしゃる接待講は2つあります。
岡山県浅口市の占見地区接待講と広島県尾道市の江奥奥組接待講です。
どちらも江戸時代から続く接待講で、記録の残る江奥奥組接待講は天保10年(1825)からと200年近く続いています。
本日も両接待講合わせて約60名の方に参拝いただき、お餅のお接待をしていただきました。

他寺院の接待講の状況は分かりませんが、おそらく中讃地域は接待講が盛んな地域であったと思います。
というのも、接待講の多くは海に近い地域の方々によって組織されたものであり、中讃では古くより多度津湾が栄えていたこと、また海の神さまである金刀比羅宮に近いことなどが挙げられます。
接待講を組織した方々は海の仕事に従事された方が多かったでしょうから、金刀比羅宮参拝も熱心でしたでしょう。
その参拝の折に、縁のあった寺院にて接待をされたことと思います。
また、四国霊場第71番~第77番の霊場寺院を詣る「七ヶ所まいり」も、もともとは金刀比羅宮の参拝とセットでした。
おそらくは接待講も七ヶ所まいりの途上で、寺院においてお接待をしながら、金刀比羅宮へ参拝し、帰路についたのではないでしょうか。

いよいよ春本番です。
ぜひお四国詣りと共に、様々な出会いをお楽しみいただければと思います。