人物

地域を支えるヒーローたち vol.12

みんなを笑顔にしてくれる、アイデアあふれるスイーツ男子。
okasinoie オーナーパティシエ 中山雅史さん

 善通寺市の駅前通りで、ひと際目を引くかわいい洋菓子店。こちらのオーナーパティシエである中山さんは、優しい声とやわらかな物腰がお店のオシャレな雰囲気にぴったりの男性。店頭には実のお姉さんが立たれていますが、「一人で作るつもりで店を出したから」と弟子を取ることもなく、メニューの考案から製作、仕上げまですべての作業をご自身がこなしています。
 当然ながら、たまの休日も製造日に充てる日々。出来上がりをイメージしてから素材や味を考案することもあれば、味からデザインを形づくることもあり、本当に朝から晩まで洋菓子のことばかり考えている“スイーツ男子”なんです。
 中山さんは元和食の料理人…というのはお店の紹介でも触れましたが、そもそものきっかけは「好きというより得意なことだった」と言います。学生時代は家庭科が得意で、先生にも「君うまいね!」と褒められた。バイト先の飲食店では「おいしそうに見せるのがうまいね!」と感心された。そんな数々のエピソードが今の中山さんのベースになっています。パティシエを目指す人はケーキが大好きで、ケーキに惚れ込んでいると思っていた私。でも、中山さんはプライベートでケーキを食べたい!とは思わないそうで、これが“好きより得意なこと”なのかな。だからこそ広い視野でさまざまなアイデアを生み出し、お客さんのハートを虜にする「okasinoie」らしいケーキが出来上がるのかもしれません。
 といっても職人の世界はやはり厳しく、スイーツのように甘くはありません。人並み以上の体力も必要だし、繊細さも求められる過酷な仕事です。得意なことを生業にした中山さんですが、「小さなひとつに特別感を込めたい」と話す姿を見ながら思いました。ケーキを目にした時のワクワク感とか食べた時の笑顔とか。その小さなひとつがもたらす感動が好きなんだろうなって…。

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「小さなスイーツに込められた特別感」