人物

地域を支えるヒーローたち vol.8

ふるさとの原風景と音楽を愛する、裸麦の第一人者
讃岐はだか麦本舗 店主 高畑実代子さん


 今思えば、あんなに他愛のない話で笑えたのはなぜだろう。小学校からの帰り、家までの道のりを友だちと歩くのが好きだった。そこにはいつもと変わらない風景があった―。
 誰もが辿ってきた子ども時代。毎日の何気ないシーンだけど、なぜか鮮明に覚えていることってありますよね。実代子さんにとっては、それが夕日に染まる穂が風に揺れる姿でした。この麦畑が裸麦だとを知ったのは、大人になってからのことです。
 地元の音楽科を卒業し、東京の大学へ。そのまま音楽に携わる毎日の中で一児の母となり、生活の基盤ができていました。地元に帰ってきた当初は、まだ東京に戻るつもりだったと言います。香川県は裸麦の栽培が盛んであり、記憶の中の麦畑はまさにふるさとを象徴する風景だったことを知るまでは。
 『讃岐はだか麦本舗』を立ち上げて2年。『高畑精麦』で精麦した裸麦を麦ごはん用裸麦やグラノーラとして商品化していく中で、裸麦にはみんなを笑顔にしてくれるパワーがあることに気づき始めた実代子さん。だから、香川県産裸麦の価値を全国に知ってもらいたい、裸麦に関わった人がワクワクし幸せになってほしい。東京に戻ろうという気持ちはいつしか、そんな気持ちに変わっていきます。「お客様はもちろん、この事業に関わる人たちの笑顔を見たときが一番やりがいを感じる」と話すご自身も、とってもステキな笑顔でしたよ。
 でも、音楽が好きなことは変わらないまま。休日はピアノを弾いたり歌ったりすることを楽しんでいらっしゃるとか。そして今でも思い出す、幼心に感動したあの風景…。
 実代子さんの夢は?「讃岐平野に美しく豊かな麦畑を残し、ずっと受け継いでいくことです」。

高畑実代子さんの記事はこちら!
第十三回「麦ごはんやグラノーラ。香川の裸麦を食べよう」