歴史・文化

過去と今が交差する~丸亀城探検1

「過去と今が交差する~丸亀城探検1」

香川の人なら誰もが知っている丸亀城。現存十二天守の一つであり、石垣の名城です。
地元を観光するならここは外せない!ということで、今回は丸亀城へ~ちょっぴり視点を変えて探検してきました。

案内してくれたのは、丸亀市教育委員会・文化財保護室の東室長。役所一、いや、香川一?丸亀城の石垣に詳しい人だと思います。


スタートはやっぱり大手門から。
お堀側のニの門と城内側の一の門は、天守と同じく国の重要文化財です。現存する天守は全国で12城ありますが、天守+大手門のセットで残っているのは3城だけ。とっても貴重なんですね。
見た目が立派なのはもちろん、二の門は扉を開けた時に雨がかからないよう屋根を備えた優しい設計。現在はずっと開けっ放しで閉めることはないそうですが、むしろ錆びついて閉まらないでしょうね…

と、ここでおもむろにスマホを取り出した東さん。まさかのポ◯モン!?と画面を覗き込んでみると…

これが今話題のAR/VR(拡張現実/仮想現実)。なんと、アプリを通して復元された丸亀城を見ることができるんです!
画面を通して天守を見ると、何もないところに建物がある。初っ端から大興奮です♡

では、スマホ片手に探検開始!

二の門をくぐると、城内へと誘う一の門。楼上に太鼓を置いて刻を知らせていたことから、太鼓門とも呼ばれています。(楼上には実際に太鼓が置かれていますよ)
また、楼上には「石落し」という隙間があり、敵に攻め入られないよう上から石や槍で攻撃していたという話も。(本当は鉄砲や槍を使ったそうなのですが)

スマホを掲げてみると、石が落とされてる!槍も!
私が敵なら迷わず退散します。

ちなみに二の門から一の門までの広場は、今でいう正面玄関のようなもの。これまで何気なく通り過ぎていたけど、実はここにも築城のこだわりがあります。



よく見ると、正面の石垣に一際大きな石が2つ。どうやってこんな岩を積んだのかと驚きますが、東さんいわく、厚さはそこまでないそうです。
つまり、強度重視というよりは“魅せる”もの。エントランスの粋な装飾というわけです。

さて、石を落とされながら(笑)城内へ入ってみました。
すると、山上へ向かう坂道に「とり奉行・骨つきじゅうじゅう」発見!
じゅうじゅうは丸亀市の人気ゆるキャラで、たまたま何かの撮影だったみたい。大阪のイベントにも出没していたらしいし、けっこう多忙な人です。



骨つきじゅうじゅうがいた坂道とは逆方向へ行くと、藩主である京極家の屋敷の表門が見えてきます。番所や御籠を備えていた長屋が附属する立派な門で、県の有形文化財。スマホ越しに見ると、当時の様子がよく分かりますよ。
門を抜けると芝生広場と資料館があり、この辺りはすべて屋敷があった場所です。敷地はかなり広く、現グラウンドの横にある大木あたりまで。ちょうどその位置に火山によってできた「かぶと岩」があり、当時、その岩は庭園の借景だったようです。

そうそう、芝生広場には巨大な岩があるのをご存知ですか?
丸亀城には「二の丸井戸」や「三の丸井戸」など名の知れた井戸があるけれど、実はこの岩の下も井戸。危ないので岩で蓋をしているそうです。
たくさんの井戸に、十分な水をたたえたお堀。ここはきっと水脈が豊富なのでしょうね。



地元の観光名所なのに、知らないことだらけな丸亀城。
いよいよ登城するのですが、自慢の石垣がただ美しいだけではないことも、この日初めて知ったのです。

to be continued!

丸亀城天守
OPEN 9:00~16:30(入城は16:00まで)
CLOSE なし
丸亀城大手一の門
OPEN 9:30~16:00
CLOSE 雨の日
〒763-0025 香川県丸亀市一番丁
Tel.0877-22-0311(丸亀市観光協会)

東さんの記事はこちら!
地域を支えるヒーローたち vol.9 丸亀市教育委員会 文化財保護室室長 東 信男さん


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