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岩佐佛喜堂 前編 〜讃岐発のお香、知ってる?〜
「岩佐佛喜堂」前編 〜讃岐発のお香、知ってる?〜
人気ショップや話題の新店、楽しいイベント盛りだくさんで賑わいを見せる高松丸亀町商店街。ここに、地域に慕われ、地域と共に歩んできたひとつの企業があります。
特にまだ若い方は、訪れたことはないかもしれません。でも、名前だけは聞いたことがあるかもしれません。
明治5年創業の「岩佐佛喜堂」。そう、商店街にずっと昔からある、お仏壇やお仏具を販売しているあのお店です。
お仏壇なんて興味がないよという人に知ってほしいのが、同企業から発売されたある商品。“香川流”を逆さまにして「流川香 りゅうせんこう」。岩佐佛喜堂の若きエースが生んだ、讃岐発のお香ブランドです。
なぜ仏壇屋さんがお香を?なんて声も聞こえてきそうですが、そもそもお香が指す対象は幅広く、塗香や練香、匂い袋などさまざまな形状があります。中でもお香を線のように細長くしたものがお仏壇やお墓に供えている線香なんですって。
ただ、これまでのお香とはちょっぴり趣向が違うところが流川香の魅力。
通常、煙は立ちのぼるもの。古来から浄土にいる仏様への供養物として、不浄を清める香りと共にお香が焚かれていましたから。でも、ブランド名をそのまま用いた「流川香」は、煙が下に流れるんです!なんてファンタスティック!
香りに加え視覚でも楽しめるお香として、発売当初かなり話題になりました。
時にゆらめきながらゆっくりと下りていく煙は、まるで極楽浄土を思わせる不思議な世界。いつまでも見ていたくなっちゃいます。
そのほか、ソケットを利用して車内で楽しむ「車香」、燃えた部分がくるくると丸まって灰が落ちない「和の香」、肌に直接塗るパウダー状のお香「塗香(ずこう)」など多彩!
お香にはリラックスや集中力アップの効果もあることから、車香は長距離運転中のリフレッシュやいねむり運転防止にも役立ちそう。
和の香は丸まった姿がなんだかかわいいし、色んな香りがあるのもステキ。灰が落ちないことから、受験シーズンにもぴったりです。
また、塗香はオリジナルをプロデュースしているところがおもしろい!
多くの寺院が岩佐佛喜堂とコラボし、それぞれの特徴を活かした塗香を出しています。桜の名所としても名高い京都の仁和寺では桜の塗香が好評で、参拝の折に買い求める人も多いよう。
実は金倉寺も、おかるてんさんの象徴・ざくろの塗香を作ってもらいました。妊婦さんでも安心の柔らかい香りです♪(メイン画像)
ここで塗香の豆知識を☆
発祥の地とされるインドでは、体臭を消したり薬として塗ったり。古代中国では漢方の生薬を調合し、滋養強壮のお香としてあの楊貴妃も愛用していたそうですよ。
仏教に取り入れられてからは、自身の体に塗って汚れを払い身を清める意味も。お釈迦様も身体に塗っていたといいますから、とってもありがたいものなんです。
歴史は古いけれど、現代的でオシャレなお香たち。香川大学との共同開発で完成したという美容と健康のためのお香「香粉 KOKO」は全国誌でも紹介されました。
そろそろお香に興味がわいてきませんか?
岩佐佛喜堂の深い知識と技術、そして寺院とのつながり。讃岐発のお香ブランド・流川香は、仏壇屋さんならではの縁があって生まれたものです。
次回は流川香の誕生秘話&ステキなエピソードをこっそりご紹介します。
岩佐佛喜堂 本店
http://www.buddha.co.jp/
OPEN 9:15~19:00(月曜は18:00まで)
CLOSE 年末年始ほか
〒760-0029 香川県高松市丸亀町10-3
Tel. 087-851-1033
岩佐さんの記事はこちら!
地域を支えるヒーローたち vol.24 岩佐佛喜堂5代目 岩佐一史さん(香想師 岩佐喜雲さん)