小さいけれどグローバルな宿

第十回「小さいけれどグローバルな宿」

最近よく耳にする、ゲストハウスという言葉。ゲストハウスやドミトリーとは、アメニティサービスを省いた素泊まりの宿のこと。シャワーやトイレ、キッチンは共同です。瀬戸内国際芸術祭の影響もあってか、県内でも数年前から増えているみたいですね。

行き届いたサービスはないけれど、各施設それぞれに個性があってリーズナブル。また、宿泊客同士の交流が楽しめるのも魅力。そんな場所が、わが町善通寺市にもありました!とっても魅力的な「ミカサスカサ」というゲストハウスです。

ここはJR金蔵寺駅から徒歩0分という、駅からほぼ直結の古い小屋。ガラガラッと開ける引き戸と手作り感満載の玄関は、「おじゃまします」より「ただいま」が似合いそう。


ミカサスカサ入り口

オープンは5年前、オーナーは旅が大好きだという吉田さん。東京で外資系企業のマーケティング部にいたことや5年の留学経験もある、きっととても聡明な人です。
でも、なんだろう。気さくな話し方や個性的だけど柔らかいファッションが、初めてお会いしたのに“吉田さんらしい”と思ってしまいました。

なぜゲストハウスを始めたのかと聞くと「陽に当たりたかったから」と笑う吉田さん、初っ端からおもしろい人でした(笑)
要はオフィスの中で働くのではなく、旅好きと英語が活かせて自由度の高い仕事=自営。たまたま奈良で泊まったゲストハウスが心地良くて、シェアハウス感覚で過ごせたら楽しいだろうな~なんて思ったからだそうです。
うん、やっぱり吉田さんらしいなぁ。

ここには、いろんな人が訪れます。
お遍路さんはもちろん、まだお金のない学生さんや80代のご婦人、オーストラリアでうどん屋さんをしたい!なんて人も。そうそう、区切り打ちで訪れたドイツからのお遍路さんもいたそうです。
「変わった人が多いんですよ~」と愛情いっぱいに笑う吉田さんを見ると、宿泊客同士だけでなく、吉田さん自身がお客さんとのコミュニケーションを楽しんでいる様子。ここで生まれた愉快なエピソード、ほんとにたくさんあります。


ミカサスカサ客室

訪れた人には、自分が美味しいと思ったうどん屋さんやおもしろいと感じた場所など、自身の経験を元に香川の観光を提案するのが吉田流のおもてなし。
先日は初体験した大歩危小歩危のラフティングがかなり楽しかったので、今後はおすすめスポットとして提案していくそう。中四国のゲストハウス同士でも定期的に交流しており、県内外の観光情報が盛りだくさんです。

当面の目標は香川の情報を一番持っているゲストハウスを目指すこと。ユニークな視点はすでに唯一無二だと思いますけどね!そして将来的には、アメリカで日本人宿としてのゲストハウスを開くのが夢なのだと話してくれました。


ミカサスカサ情報コーナー

吉田さんが集めたさまざまな情報がここにも


「ミカサスカサ」、スペイン語で「MI CASA SU CASA」。
日本語にすると、あなたのおうちのように過ごしてください―。

晴れた日には、庭でひなたぼっこしている吉田さんがいるかもしれません。でも、もしチェックインの時間より前だったら、約束の時間までそっと見守ってあげてほしいと思います。
だって、陽に当たりたいと思ったことがきっかけで、このステキなゲストハウスが生まれたのだから。



Guesthouse & Hostel MI CASA SU CASA
IN:16:00~23:00
OUT:10:00
〒765-0031 香川県善通寺市金蔵寺町1230-1
Tel.080-3926-1353
日本語HP: http://www.micasasucasa.jp/
English HP: http://www.micasasucasa.jp/english/