うどん

若き大将が打つパワフルうどん

「若き大将が打つパワフルうどん」

讃岐うどんの本場・香川では、半世紀以上続くうどん屋さんも珍しくありません。
そんな激戦区で、まだまだ若手ながら勢いのあるお店があります。

来年で10年目を迎える「純手打うどん よしや」は、機械を使わず手練り・手切り。まさに純粋な手打ちにこだわるセルフうどん店です。
県内外にファンを持ち、地元タウン誌による「うどん総選挙2017」でも堂々の1位を獲得。まさにツウも認める味、というわけです。

開店時間は朝7時。お店の外まで漂うダシの香りに誘われて、モーニング代わりに立ち寄る人の多いこと!
香川では定番の、いわゆる朝うどんですね。

大将の山下義高さんは働き盛りのアラフォー男子。お客さんに元気よく声かけしながら、主に厨房で麺を打っています。

彼が手打ちにこだわったきっかけは、まだ他店で修行中だった頃。旅先のアメリカで、うどんを打ってくれと頼まれたのに機械がなくてできなかったことがあったそうです。
これじゃあいかん!!だって、讃岐うどんは機械なんてない時代からずっと受け継がれてきた、讃岐の愛すべき郷土料理なのだから。

生地を練って丸めて足踏みもして、伸ばして切るまですべて手作業。行列もできる人気店においては決して効率がいいとは言えません。
しかしながらよしやのうどんがここまで愛されているのは、昔ながらの、いや、大将のこのこだわりがあってこそだと思うのです。

それにしても…
取材中も絶えない客足。これだけ回転率がすごいと、体力勝負の麺作りは大変そうです。
ひと塊りの生地でおよそ18〜20玉分。連休など多い時では1000玉以上出ることもあり、過去には朝9時に玉切れになっちゃったことも。※香川では玉がなくなり次第閉店する店が多い。
ちなみに麺を切る包丁はなんと約1kg。ホント、体力勝負です。



こうして日々できたてのうどんを提供しているよしや。
かけうどんや醤油うどんなどのシンプルなメニュー以外に、「何か乗ってる方が美味しそうだから♡」と大将イチオシのトッピングメニューが仲間入りしたり、お客さんのニーズに応えて新顔が生まれたりもします。
写真は讃岐もち豚の肉ぶっかけ。大将いわく、「名前からして美味しそう♡ 作ってみたら美味しかった♡」ということで通常メニューに仲間入りしました。



また、昨年の夏から始まった「カマタマーレ対戦記念うどん」は、試合によって変わるその時だけの特別メニューです。
例えばヴェルディ戦の時は、チームカラーの緑にちなんだ磯辺揚げをチーム名の頭文字Vに盛り付けて提供。FC今治では地元のB級グルメ・焼豚玉子飯をモチーフに焼豚玉子うどんが登場しました。
相手地域の名物を食らう=勝つことをイメージしていますが、応援に訪れた相手方のサポーターにも好評。うどん屋さんで交流が生まれるなんてユニークなエピソードも、同店ならではの魅力かもしれません。

若き大将のパワーと楽しい発想で、唯一無二の店となったよしや。
「店を増やすことは全く考えていない。今ここに来てくれるお客さんをだいじにしたいから」
そんなカッコイイことをおっしゃる大将、今後はお客さんの舌により合うようにオーダーメイドの麺作りを思案中だとか。現状ではなかなか難しいようですが、まずはお客さんの好みに合わせた麺の太さを、ゆくゆくは粉も分けていきたいのだとその構想を語ってくれました。
もう!どんだけファンを増やすつもりなんですか!!

気づけばうどんの紹介を全然していないですが(笑)それは、行ってみてのお楽しみということで…。



純手打うどん よしや
OPEN 7:00~15:00
CLOSE 火曜
〒763-0084 香川県丸亀市飯野町東二343-1
Tel. 0877-21-7523

山下さんの記事はこちら!
地域を支えるヒーローたち vol.20 純手打うどん よしや 山下義高さん


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