人物

地域を支えるヒーローたち vol.14

人の笑顔が大好きな、健康食の伝道師
モリエ米店 店主 森江一彰さん

 “商店街のお米屋さん”としてご紹介した森江一彰さん。小売店の肝といえる対面販売を続けながらインターネット販売やSNSでの発信にも力を入れ、体に優しい健康食をPRされています。日本人の主食を取り扱っているのですから当然といえばそうなのですが、そもそものきっかけは、ご兄弟のお子さんがアレルギーで悩んでいる姿を目の当たりにしたこと。食に関心を持ち、口に入るものに自然と気を使うようになったと言います。
 その頃に出会ったのが、農業用石膏からできたカルゲンといわれるカルシウム肥料。わざわざ金沢まで足を運び、御年90歳になるカルゲンの第一人者(超元気なおじいちゃん)に会って土作りの重要さを学んだそうです。定期的に発行している手作りの「モリエ新聞」には、食の健康に関する情報が盛りだくさん。地域で開かれる「善通寺まちゼミ」では、玄米・米ぬか活用法や味噌作りなどの講座を通して、お客さんに安心できる食を伝えています。
 「米だけじゃなくて、それを取り巻く環境にも目を向けないとね」と、まさに健康食の伝道師のような森江さん。でも実は、28歳まで県外で演劇に携わっており、プロデューサーとして舞台の脚本などを手がけていました。読みやすいモリエ新聞といい、子どもから大人まで分かりやすい講座といい…妙に納得。
 当時はお店を継ぐなんて考えたこともなく、お父様が倒れた時にまたすぐ戻るつもりで帰省。でも、仕事を手伝ううちに気持ちが変わってきたと言います。「配達先のお客さんたちが、帰ってきてくれたんやなぁって喜んでくれて。それがうれしくてね。今はこれが僕の人生なんだと思えます」。閉めてしまったお店も多い商店街に今も変わらずお米屋さんがあること、そして今の森江さんがあるのは、お客さんや地域の人たちの笑顔のおかげ。その笑顔を守るために、今日も食の大切さを伝えています。

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