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訶利帝母さまと金倉寺訶利帝母尊像

 「訶利帝母さま」は知らなくても「鬼子母神さま」という言葉をご存知の方は多いのではないでしょうか。鬼子母神さまは五百とも千ともいわれる程の子供を持つ神様で、そのため子供を守護する、また子授けの神様としても有名です。この鬼子母神さまをインドの人々は「ハーリティー」と呼んでいました。その「ハーリティー」に漢字を当てると「訶利帝母」、漢訳すると「鬼子母神」となったのです。つまり「訶利帝母さま」と「鬼子母神さま」は同じ神様なのです。そしてこの訶利帝母さまが日本で最初に出現したと言われるのがこの金倉寺なのです。
 金倉寺に訶利帝母さまが出現したのは智証大師が五歳の時です。金倉寺境内に突然と天女が現れ智証大師にこう言ったのでした。「私はあなたと古くからの因縁があり、あなたは将来仏法を発展させる人です。だから私はあなたを守護しましょう。」
 この天女が訶利帝母さまだったのです。このことから金倉寺は「日本で最初に訶利帝母(鬼子母神)さまが出現した寺」と呼ばれ、古くより子安の寺、子授の寺として有名だったようです。金倉寺に残る「日本最初出現訶利帝母略縁起」より、当時の様子を振り返ってみましょう。

日本最初出現訶利帝母略縁起日本最初出現訶利帝母略縁起

 「日本最初出現訶利帝母略縁起」はおそらく明治初年頃に制作された金倉寺の訶利帝母さまの由来を記した木版です。原文は擬古文体ですので現代文に改めて紹介したいと思います。なお原文の文意を損なわないよう現代語訳しておりますため、一部内容に誇張表現等がありますことをご了承下さい。

 金倉寺に伝わります護法善神訶利帝母さまとは、嵯峨天皇の弘仁九年(818)、宗祖智証大師が五歳の時に初めて現れられました。その後の文徳天皇の天安二年(858)、智証大師が唐国より帰朝されて金倉寺に滞在されていた時に再び出現されて、仏の教えを守り人々を安らかにすることを誓われたのでした。後に智証大師が三井寺を復興された時にもまた出現され、大師より菩薩戒を授けられました。このために三井寺の訶利帝母さまを尼護法と呼び、金倉寺の訶利帝母さまを天女護法と呼ぶわけです。
 訶利帝母さまは金倉寺の地に日本で最初に出現したために、近くはもとより遠く離れた所よりも渇仰して喜んでやってこられます。ある人は子供を求め安産を願い、ある人は懐胎帯を求め、ある人は生まれてくる子供の将来を、または愛らしさ、気品、健やかさ、無事、地位などの様々な願いをされ、どれひとつとして適わないものはありません。訶利帝母さまを安置しているお寺は他にもありますが、御利益の大きさは他と比べものになりません。
 このようであったため高松藩主松平の母君も当寺の訶利帝母さまに子息を求め安産されました。さらにその栄達を望みこれも叶えられました。この恩に報いるためと、享保初年(1716)には金倉寺訶利帝堂を再興され数々の珍しい宝物を寄進されました。これによってさらに生前の栄誉を倍増されたと言われています。
 そもそも訶利帝母さまは神様の姿をされていますが、仏さまが人々のために顕わされた仮の姿が訶利帝母さまで、子は五百、従者は五千を数えます。お釈迦さまが竹林精舎に立ち寄った時、訶利帝母さまは仏の教えを受けて子供達の守護神となり、人々に御利益を与えられる神様となられました。その御利益は世界中に及び、智証大師からは護法善神という呼び名を与えられました。
 もし訶利帝母さまにお願い事をされるのであれば毎月十六日に参拝してください。皆さんの願いは間違いなく聞き届けられるでしょう。それは訶利帝母さまが人々を苦しみから救い出したいと思う慈悲の心であり、まさに訶利帝母さまは除災招福の霊神です。夫婦円満、子授、子安、子供の身体健康、またあらゆる願い事の成就は金倉寺の訶利帝堂が一番です。

訶利帝堂のお参りの仕方金倉寺訶利帝堂

 「日本最初出現訶利帝略縁起」に書かれていましたように、訶利帝母さまの縁日は毎月十六日です。鬼子母神さまの縁日は毎月8の付く日、つまり8日と18日と28日であり、同じ神様でも縁日が異なるというのは不思議なものですね。しかし三井寺で600年以上続く訶利帝母さまの例祭「千団子祭」も5月16日を本祭としておりますので、同じく智証大師にご縁のある金倉寺の訶利帝母さまも安心して毎月16日にお参りして下さい。

1.線香・ロウソクを供える。
2.鈴を鳴らして訶利帝母さまに来訪を伝える。
3.お堂正面に立ち一礼する。
4.お願い事をする。
5.両手を合せ「おん、どどまり、ぎゃきてい、そわか」と訶利帝母真言を唱える。
6.続いて「おん、ちびちねい、そわか」と愛子呪を唱える。
7.一礼する。

金倉寺では各種祈願も受け付けしています。詳しくは「壇信徒の方へ」をご覧下さい。

 

 
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