地域を支えるヒーローたち vol.5

第二十二回 ~番外編~
地域を支えるヒーローたち vol.5

地元観光で出会った魅力的な人たちをご紹介する「まんなか。番外編」。
今回ご紹介する“ヒーロー”は、丸亀城を案内してくれた東さんと広島風お好み焼きを香川に広めた横田さんご夫妻。
どちらも3人のお子さんがいらっしゃって、ご家族の仲のよさがとても印象に残っています。というわけで、今回のテーマは「家族愛」に決定♪


東さん

お城マニアの素顔は、とってもアクティブな三姉妹のパパ
丸亀市教育委員会 文化財保護室室長 東 信男さん


 丸亀城を管理する文化財保護室の室長として、日々の業務にあたっている東さん。丸亀城に詳しい人を探していると取材を申し込んだ時、すぐにお名前が出たほど博識な人でした。元々は中世の山城を見るのが好きだったこと、そして、出身地の姫路市で日本初の世界遺産・姫路城を見て育ったことも、お城や石垣に興味を持つきっかけになったのかもしれません。
 第一印象はとても誠実そうで控えめな感じ。どちらかといえばインドアなイメージだったのですが…。天守まで案内してれた際、日ごろの運動不足から息が切れている私とは違い、解説しながらも全く息が乱れることなく登りきった姿に尊敬の眼差しでした。それもそのはず。「日本の100名城」のうち94まで登りつめた、まさにお城のエキスパートだったんです。
 お城へは家族総出で足を運ぶことが多く、奥さまとまだ小さかった三姉妹を連れて各地を旅したそう。家族の楽しそうな姿を想像してほほえましく思ったのですが…中には崩れた道もあり、子どもたちは泣きながら通行したこともあったらしいです(笑)「みんなはお城に興味ないんですけどね~」と苦笑する東さんですが、「お父さんと旅行したらお城ばっかり!」と、文句を言いながらもお供してくれる娘さんたちがいて幸せそうです。
 でもね、東さん。道なき道を行くのはもちろんですが、早朝に出発してサービスエリアで仮眠し、深夜に帰宅…新潟まで0泊3日の日帰りもちょっとトラウマレベルかも(笑)
 そんなアクティブすぎる東さんの夢はもちろん、100城制覇!!残るは北海道や秋田、沖縄と遠方らしいので、どうか日帰りなどは考えず、ご家族でゆっくり楽しんできてください。そして、いつまでも仲良し家族でいてほしいと思いました。

東信男さんの記事はこちら!
第十七回「過去と今が交差する~丸亀城探検1」
第十八回「過去と今が交差する~丸亀城探検2」



大切なのは感謝の気持ち。夫婦愛もお店の魅力
お好み焼よこた 店主 横田史郎さん・幸子さん


 ふたりで一緒にお好み焼き屋さんを開いて約30年。当初の営業時間は深夜3時までで、閉店後は片付けや家事をこなし、寝ずに朝食の準備をしてから3人の子どもたちを見送るというけっこうハードな毎日だったそうです。現在は0時に閉店していますが、3時間睡眠でもやってこれたのは夫婦が協力し合っているからこそなのでしょう。
 馴れ初めをお聞きしてみると、奥さまの地元である広島の大学で出会い、なんと学生結婚しちゃったそうです。奥さまは当時19歳!教育者になるのが夢でしたが、卒業後は大好きなご主人と一緒に香川へ。「ここに来ていろんな人と知り合えてね。今は(この道を選んで)良かったと思ってるよ」と、幸せそうな笑顔を見せてくれました。ちなみに奥さま、お店に来る学生や子どもたちを愛情を持って叱ることもあり、地域の先生的な存在としても慕われています。
 それにしても…。営業日はもちろん一緒で、定休日も一緒にランチしたり旅行に出かけたり。1日24時間ほぼ共に過ごしていてイヤになることはないのかな。そんな素朴な疑問に、迷うことなく即答してくれました。世のご夫婦のみなさん、仲良しの秘訣は「ちゃんと話し合うこと」だそうですよ!
 学生結婚してからもう40年以上も一緒にいるベテラン夫婦ですから、けんかももちろんします。でも、ご主人いわく「おかあちゃんがよう辛抱してくれとるんや」とにっこり。お互いがちゃんと思い合い、信頼し合い、感謝し合っているのが分かりました。
 子どもたちもとっくに成人し、第二の人生ともいえる夫婦の時間を楽しんでいるおふたり。正確には、一緒に寝るほどかわいがっている愛犬チャロを加えた3人の時間。チャロも夫婦円満に一役買っているみたいです。

横田史郎さん・幸子さんの記事はこちら!
第二十回「香川で食べる広島風お好み焼き」